山田念珠堂NEWS

山田和義数珠の話(14)菩提樹の珠数

「菩提」の名前を有する数珠の場合、木実類であれば「珠」、杢部であれば「樹」と記します。今回ご紹介する印度菩提樹は杢部を使用しますので「樹」と記します。

予てよりお釈迦様のお悟りを得られた聖樹として有名ですが、実態はこの印度菩提樹は入荷しておらず、星月や金剛菩提を代用として誤った紹介がなされていたようです。正式にはインドに多く自生するこの印度菩提樹が正解で有ります。因みにインドには三大聖樹があり、第一はご生誕の時の「無憂樹」第二に悟りの「菩提樹」、第三は涅槃の「沙羅双樹」ということであります。

 此の聖樹、特に印度菩提樹は伐採も輸出入も禁じられており、2014年に初めて弊社の嘆願により「念珠に使用」ということで一部解禁され、印度南部にあるケーララ州(Kerala)の海洋都市コチ(Kochi・Cochin)より出荷され神戸港に荷揚げされることと成りました。

 この印度菩提樹はイチジク属・桑科の植物で、高さ20メートルにも成長する常緑高木です。熱帯地方に多く生息しますが、耐寒性に弱いため日本では温室栽培が主に成ります。実際に果実も成りますが、食用には成りません。桑科であることから樹木部の杢目は美しく優しい茶色をしていますので、念珠に使用する際も余分な着色を避け、出来る限りその杢目を楽しんで頂きたく、挽き艶工法、すなわち「弊社独特の素挽き」を採用させて頂いております。

 規格にもよりますが、カット材での輸入に成りますので、多様なサイズは思うようにはならず、今のところ16ミリの直径が最大の大きさと成ります。
 しかしながら、全宗派には対応できるように企画致しております。材料が限定されますので、受注後からの制作に成りますが出来る限り短納期で製作する所存でございますので、記念品にご使用いただくには最適品と自負致しております。

 尚、此の印度菩提樹は広くご利用されることを念頭に、腕輪念珠から各宗本連、片手念珠等を単価を抑えてご提案させて頂きたく存じておりますので、宜しくご利用賜ります様お願い申し上げます。