数珠の選び方

数珠の選び方 34. 数珠の玉の一番大きな玉は何と呼びますか

 数珠にはどの宗派でもお使い頂ける略式の「片手数珠」、宗派ごとに仕立てられた「本連数珠」、があります。「片手数珠」「本連数珠」どちらにも一番大きな玉がありますが、「片手数珠」には一番大きな玉が1つ「本連数珠」には2つ使用される場合が多いです。この大きな玉は「親玉」と呼ばれる事がしばしばあり、「本連数珠」の場合は宗派などにより、さまざまな呼び名があります。2つの玉それぞれを「母玉・中玉」、「天父・地母」、「達磨・諸留」、「釈迦牟尼・地蔵菩薩」、等々いろいろに呼ばれています。

 また、造形的にも他の玉とは違う要素があり、穴が3つ開いていて、この穴はT字型に繋がっています。この親玉に糸が通って房の部分へと連結するので、とても大切な役割を持っています。3つの穴を開ける事もT字型の穴の中を磨く事も手間ですし、T字型の穴へ糸を直角に通したりと、仕立ても難しくなりますが、日本で今日までに進化した独特で美しい房は、この親玉があるおかげで表現することができていると思います。

 「親玉」と言えば、中心となる人物・上に立つ者を指しますが、数珠においても大事な要素を担っているのがお分かり頂けたと思います。呼び名についても、象徴となる対象が据えられていますね。