数珠の選び方

数珠の選び方26.数珠の糸がきれにくい数珠はありますか 見えない部分まで意識する

 

数珠の糸が切れにくい数珠は、あります。しかし、糸の切れない数珠は、ありません。

「形あるものはいつか壊れる」ことはみんな分かっているのですが、大切なものが壊れると悲しいものです。

 数珠は、見ているだけでも心が動かされる何かが宿っていますが、時にはつまぐったり、擦ったり揉んだりと、実際に手に携え、触れて力を込めるものです。ですから、美しいだけではなく、機能性が必要です。

 糸を切れにくくする工夫として、やはり玉の穴の磨きは重要な要素です。石の玉など、空けっぱなしの穴は、ギザギザでやすり状になっています。そこを通る糸が切れやすいのは、火を見るより明らか。このような玉の数珠は、何度修理をしても糸が切れやすいのです。ですから、私たちは、穴の中、穴口まで研磨を気をつけています。また、玉の穴を通る糸にも秘密があり、縦にも横にも伸びやすい性質のウーリーナイロン糸を使用し、いろいろな方向から力を加え続けても切れにくいよう工夫しています。

しかし、やはり糸が切れた場合の事を考え、玉が散り散りにならないよう、玉の穴のサイズとその穴を通る糸の太さの関係を工夫しています。穴にピッタリの太さの糸であれば、玉は糸から抜け落ちず糸に留まったままです。玉を失くしてしまう事を未然に防げるのです。

見えない部分まで意識をする事は、丈夫なだけでなく、美しい念珠をつくる秘訣なのだと思います。