数珠の選び方

数珠の選び方 10. 仏教の宗派毎の数珠の決まりがありますか

 数珠には、本連数珠(ほんれんじゅず)と片手数珠があります。それぞれの宗派ごとに仕立てられた数珠を本連数珠と言い、この本連数珠が宗派毎にお使い頂く念珠となります。一見するとわからないですが、房の仕様が少しずつ異なったり、玉の形や材料が違ったりと、仕立てが様々です。また、僧侶の方が持つ数珠も、宗派ごとに異なる仕立てとなっています。ご参考にHP内の「数珠の魅力を伝える数珠の持ち方と宗派」をご覧頂ければ幸いです。

 宗派によってはその数珠の形式が生まれてきた歴史的な背景もありますが、また機会を見付けてご紹介したいと思います。

 そして、略式として片手数珠があり、どの宗派でもお使い頂けます。片手数珠をお使いの方もたくさんおられます。

 本連数珠は、主玉の個数が108個である事が多く、煩悩の数と同じとも言われていますし、数珠の起源として良く知られている「木槵子経」の経典にも、108個の実を貫いた数珠を持つことが伝えられています。

「木槵子経(もくげんじきょう/もくげんしきょう)」は、国王が民を救う為、お釈迦さまにその方法を相談した答えに「数珠」があったと言う「優しさ」と「希望」に満ちたお話です。国王がその数珠を皆に分け与え、心から念じたところ、功徳が素晴らしいものであった、と言われています。

 宗派により違うところもありますが、108玉それぞれの玉に意味もあり、とても有り難いと感じ入る仏具と言えるではないでしょうか。