山田和義の数珠の話

山田和義 数珠の話(5)軸組

 やっと中通しが終わると次は軸組みです。定番の四つ組みですが、これがまた厄介で、硬くてもダメ、緩すぎてもダメ、組んだ紐が垂れず、自在にしなやかに曲がる、これが最も耐久性の良い組み上げです。

 最近ではナイロン糸の様な伸びる糸と絹の様な収縮のない糸と組み合わせますので、手組でも機械組でも滑るのでうまくいきません。弊社ではこれを克服するべく自動機を開発し、現在40台を導入しています。この自動機は1台で10名分の仕事をこなします。自動機のスタッフは20名ですので、延べ400人分の仕事を僅か20名でこなしていることになります。

 次は房付けですが、房の種類には撚り房、梵天、小田巻(釈迦梵天)、紐房(阿弥陀房)、正紐・利休紐など多くの種類があります。房の仕立てが本来の数珠屋の仕事に成ります。これができないと数珠屋ではありません。

 山田念珠堂では撚り房を数珠屋で社内内製化している数少ない工房であり、次回は撚り房の製作ついてご紹介します。